家族が亡くなった後の手続きで、多くの方が「一番大変だった」と口を揃えるのが大量の戸籍収集です。
しかし、近年の制度改正により、その負担は大幅に軽減されました。
本記事では、相続実務の現場で私たちが積極的におすすめしている2つの便利な制度を解説します。
目次
戸籍の「広域交付制度」:全国どこの窓口でも取得可能に
相続手続きの第一歩は、亡くなった方の「出生から死亡まで」の戸籍を揃え、相続人を確定させることです。
これまでは、本籍地が遠方だったり、転居のたびに本籍を移動させていたりする場合、各自治体へ個別に郵送請求を行う必要があり、膨大な手間と時間がかかっていました。
- 改正のポイント: 「広域交付制度」の導入により、最寄りの市区町村窓口一箇所で、全国の戸籍をまとめて請求できるようになりました。
- 注意点: 請求できるのは配偶者や直系卑属(子・孫)などに限られます。
「法定相続情報証明制度」:戸籍の束を持ち歩く必要なし
銀行解約や不動産の名義変更など、各窓口で「戸籍一式」の提出を求められます。金融機関が複数ある場合、何セットも戸籍を取るコストがかかったり、原本の還付を待つ間に手続きが滞ったりすることがありました。
そこで活用したいのが、戸籍の代わりとなる「法定相続情報一覧図」です。
- メリット: 法務局が発行する公的な証明書(一覧図)があれば、分厚い戸籍の束を何度も提出する必要がありません。
- コスト: 発行手数料は無料で、必要な枚数分を発行してもらえます。
- 効率化: 有効期限を気にして戸籍を再取得するリスクも減り、複数の手続きを並行して進められます。
税理士がこれらを強く勧める「3つの理由」
なぜ税理士事務所がこの2つの活用を推奨するのか。
それは、「相続の全体像を把握するまでの時間が圧倒的に短縮されるから」です。
申告期限(10ヶ月)への余裕: 戸籍収集に数ヶ月要していた昔と違い、スピーディーに相続人を確定できるため、余裕を持って遺産分割協議に入ることができます。
- コストの削減: 銀行ごとに高額な戸籍セットを用意する必要がなくなり、お客様の負担する実費を最小限に抑えられます。
- 手続きの正確性: 法務局という公的機関が認証した一覧図があることで、その後の遺産分割協議書や申告書の作成において、ケアレスミスを防ぐことができます。
相続手続きの第一歩を、もっとスムーズに
戸籍の収集や一覧図の作成は、初めての方には少し手間に感じるかもしれません。しかし、ここを最初にクリアしてしまえば、その後の手続きは驚くほどスムーズに進みます。
「自分の場合はどこまで集めればいいのか?」「そもそも相続税の申告が必要なラインかわからない」といった不安がある方は、
ぜひお気軽に当事務所へご相談ください。
